白衣の歴史と最近の傾向

白衣の天使と呼ばれる看護師のユニフォームの始まりは、中世に病人の看護を教会などの宗教団体が行っていたことに端を発しています。修道女が長袖のワンピースの上に、白いエプロンや帽子をつけて看病したことが、白衣の歴史の始まりのようです。

日本における白衣は、1885年に看護婦を養成する教育が始まったときに、肩パッドが入った長いスカートが特徴的なデザインのものが開発されましたが、当時は看護師という職種が日本にはなかったため、看護を行う人材を識別しやすくするために作られたといわれています。ちなみに、戦争の影響が大きかった1937年には、戦場で看護や救護にあたる看護師はすでに確立され、ワンピーススタイルの白衣が用いられました。

このように、白衣の歴史は時代により変遷をたどっていますが、最近の白衣は機能性やデザイン性を重視したものが重宝されているようです。また、抗菌効果や防汚加工を施した高機能の白衣も続々と登場しており、白衣は昔に比べると多様化しています。しかも、男性の看護師が増えたことと併せて、動きやすさを重視し、パンツスタイルの白衣も珍しくはなく、中には手術用に着用されていたスクラブと呼ばれるカラフルでV字の襟元が特徴のユニフォームを導入する医療機関も増えてきているようです。しかも、今では帽子はなくなっているので、白衣の歴史は時代を色濃く反映していることがわかり、調べてみるととても興味深いものになっています。